Claude・Codex並みのローカルLLMはいくら?Mac Studio・tinybox・eGPU総額比較【2026年7月】

by Synth
Claude・Codex並みのローカルLLMはいくら?Mac Studio・tinybox・eGPU総額比較【2026年7月】

Claude Opus/Sonnet、OpenAI Codexと同等性能のローカルLLMを組むには何が要る?Mac Studio M3 Ultra、tinygrad tinybox、Apple公認のTinyGPU+外部GPU、自作RTX 5090構成まで、総額と現実性をSynthが正直に比較します。

まず結論

長くなるので、先に答えを置きます。「結局いくらでClaude/Codex並みの環境を家で組めるの?」だけ知りたい人はここだけで大丈夫です。

  • Claude Opus 4.7 級Llama 3.1 405B 相当)は個人ではほぼ不可能。必要VRAM 243GB、機材だけで $100,000 超(1,500万円コース)。素直にClaudeを課金しましょう
  • Claude Sonnet 5 級Llama 3.3 70B / Qwen2.5 72B)はMac Studio M3 Ultra 96GB($5,299=約80万円)で現実的。2026年時点で最良のコスパ
  • OpenAI Codex(GPT-5.5-Codex)級(Qwen2.5-Coder 32B)は**RTX 5090($3,999=約60万円)**か **Mac Studio M4 Max($2,499=約38万円)**で十分。SWE-bench Verified 69.6%まで到達
  • 2026年4月、AppleがTiny Corp製の TinyGPU ドライバーを公認Mac + 外付けRTX 5090 = 約$10K〜$15Kで個人ローカルLLM環境が組める新選択肢が登場(これが今年最大のニュース)
  • 512GB Mac Studioは2026年3〜5月に廃止(RAM高騰)。現状Mac最上位は M3 Ultra 96GB。M5 Ultra は2026年後半予定

すごくざっくり書くと、**「Opus級は諦める、Sonnet級は Mac Studio、Codex級は好みで選び放題」**が2026年夏の現実です。以下、各階級とハードごとに正直に見ていきます。


なぜ今、Claude/Codex 級のローカルLLMが視野に入ったのか

3年前まで「Claude並みのAIを家で動かす」は完全な夢物語でした。2026年、これが視野に入った理由は3つあります。

理由1: OSSモデルの追い上げ
Llama 3.3 70B、Qwen2.5 72B、DeepSeek V3 が Claude 3.5 Sonnet に肉薄する性能に到達。Qwen2.5-Coder 7B は HumanEval で GPT-4 を超えました

理由2: Apple Silicon の Unified Memory
Mac Studio M3 Ultra は 96GB の統合メモリと 819 GB/s の帯域で、H100 に近い個人向け推論マシンになりました。同じことを NVIDIA でやると GPU 8枚積みになります。

理由3: TinyGPU の Apple 公認(2026年4月)
Mac に外付け GPU を繋いで LLM 推論を回すという、これまで不可能だった構成が公式に開通しました。詳しくは後述。

こうしてハードとソフトが同時に進化した結果、「Sonnet級」なら個人が家で組める価格帯まで降りてきています。


前提:ClaudeとローカルOSSモデルの対応関係

まず「どのオープンモデルがどのClaudeに相当するのか」を整理します。

Claude/Codex基準相当するOSSモデルパラメータ数Q4量子化時のVRAM要求
Claude Opus 4.7Llama 3.1 405B / DeepSeek V3 671B405B〜671B約243GB〜
Claude Sonnet 5Llama 3.3 70B / Qwen2.5 72B70B〜72B約43GB
Claude Haiku 4.5Llama 3.1 8B / Gemma 3 12B8B〜13B約8GB
GPT-5.5-CodexQwen2.5-Coder 32B / DeepSeek-Coder V232B約20GB

Anthropic は Claude のパラメータ数を公表していないので、上記はベンチマーク上の性能で近いと言われるモデルを並べたものです。「完全に同じ」ではなく「用途によっては遜色ない」レベルと理解してください。

【出典】Llama 3.1 405B は fp16 で約972GB、Q4で243GB のVRAMを要求。Q2_K でも約120GB。(参照: Meta公式 Llama 3.1 発表, Llama 3.1 Hardware Requirements


Claude Opus 4.7 級を家で動かすには?

先に結論:やめておきましょう

Llama 3.1 405B を Q4量子化で回すには VRAM 243GB が必要です。これは:

  • H100 80GB × 4枚(VRAM 320GB):$120,000〜
  • A100 80GB × 8枚(VRAM 640GB):$140,000〜(中古サーバー)
  • tinybox pro(RTX6000 Blackwell 768GB版):発表済み、推定 $150,000+

いずれも家庭では電力・熱・騒音・保守すべてが限界を超えます。専用の空調と電気工事付きの部屋が必要になり、Opus API を10年課金しても届かない金額になります。

唯一の抜け道:DeepSeek V3 671B を Mac Studio M3 Ultra 256GB カスタムで

M3 Ultra は本来 96GB 上限ですが、Apple のオーダー時に 256GB 統合メモリまで拡張できる構成があります(価格 $9,499〜)。MoE構造の DeepSeek V3 671B は、活性化パラメータが 37B しかないため、Q4量子化なら 256GB の統合メモリに収まり動作報告があります。

ただし:

  • Opus 4.7 と同性能は保証されない(ベンチマーク差あり)
  • 推論速度は 5〜10 tokens/秒(実用ギリギリ)
  • 256GB Mac Studio は2026年5月に販売停止(RAM高騰による)。今から新規購入は不可

現実的な結論: Claude Opus は API/サブスクで使い、ローカルは Sonnet 級で妥協するのが2026年の正解です。


Claude Sonnet 5 級を家で動かすには?

ここが個人にとって最も現実的で価値があるゾーンです。

Llama 3.3 70B は複数のベンチマークで Claude 3.5 Sonnet に近い性能を出し、コーディング支援や日本語の要約・添削なら Sonnet の代わりに十分使えるレベル。VRAMは Q4量子化で約43GB、Q6でも約60GB です。

選択肢1(推奨): Mac Studio M3 Ultra 96GB — 約80万円

2026年時点の個人ローカルLLM最良解です。

項目内容
価格$5,299(約80万円)
統合メモリ96GB
メモリ帯域819 GB/s(Apple最速)
Llama 3.3 70B速度25〜30 tokens/秒
消費電力最大 480W(H100の1/3以下)
騒音ほぼ無音

H100と同じレンジの推論性能を、H100の1/6の価格で、家庭のリビングで動かせます。電気代・騒音・熱をすべて解決しているのが最大の魅力。

選択肢2: tinybox red v2 — 約230万円

Tiny Corp が販売する既製ワークステーション。AMD Radeon RX 9070XT × 4枚 + AMD EPYC 32コア + RAM 128GB + NVMe 2TB が最初から組まれた業務用機材です。

項目内容
価格$15,000(約230万円)
GPUAMD RX 9070XT × 4(VRAM合計 64GB)
用途70B級の商用推論、複数モデル同時稼働
難点消費電力大、業務用途向け

個人には過剰ですが、社内AI基盤としては非常に強力です。

選択肢3(新): Mac + TinyGPU + RTX 5090 — 約100〜150万円

2026年4月4日、Apple が Tiny Corp の TinyGPU ドライバーを正式に署名・公認しました。これにより、Mac に外付け GPU(eGPU)を挿して AI 推論を回せるようになりました(グラフィック用途は非対応)。

内訳価格
Mac mini M4(16GB / 512GB)$599
RTX 5090(32GB GDDR7)$3,999
Sonnet Breakaway Box 750eX$399
Thunderbolt 4 / USB4 ケーブル$50
合計約$5,047(約76万円)

Mac Studio と近い価格ですが、GPU側のVRAM(32GB)は Sonnet級モデルの Q4量子化にちょうど合うサイズ。将来的にRTX 5090 を追加増設もでき、拡張性は Mac Studio より上です。

NVIDIA 構成では Docker Desktop 経由での起動が必要になる点だけ注意。

参照: Apple approves drivers that let AMD and Nvidia eGPUs run on Mac(Tom’s Hardware)


OpenAI Codex(GPT-5.5-Codex)級を家で動かすには?

コーディング特化なら、汎用モデルより専用モデルの方が効率的です。

近いオープンモデルは Qwen2.5-Coder 32B(Apache 2.0)と DeepSeek-Coder V2

  • Qwen2.5-Coder 32B: SWE-bench Verified 69.6%(Claude Sonnet 4.6 は 79.6%)
  • Qwen2.5-Coder 7B: HumanEval 88.4%GPT-4の87.1%を超え)
  • Codestral 25.01: FIM (Fill-in-the-Middle) pass@1 95.3%(2025年全モデル中トップ)

選択肢A: Mac Studio M4 Max — 約38万円

項目内容
価格$2,499(約38万円)
メモリ36GB〜64GB
対応モデルQwen2.5-Coder 32B(Q4量子化で20GB)
速度30〜40 tokens/秒

「AIコーディングを月$20〜$200のサブスクじゃなくローカルで完結させたい」層への解答。1年でペイします。

選択肢B: 自作 RTX 5090 — 約60万円

内訳価格
RTX 5090(32GB)$3,999
Ryzen 9 7950X + マザボ + 64GB DDR5 + 電源 + ケース$1,500〜$2,000
合計約$5,500〜$6,000(約85〜90万円)

Windows/Linuxでゲーム・映像編集も並行してやりたい人向け。純粋なLLM専用なら Mac Studio M4 Max の方が省電力・省スペース。

選択肢C: tinybox green v2 — 約690万円

RTX 5090 × 4枚積みの業務用機材。個人には過剰ですが、AIコーディングを社内SaaSとして提供する開発会社なら十分ペイします。API経由でCodexを月何万円も使う代わりに、tinybox 1台で全開発チームをカバーできます。


ハード別 徹底比較

ここまで挙げた選択肢を、Claude・Codex基準の総額マトリクスとして一枚にまとめます。

構成総額対応 Claude/Codex 基準想定tokens/秒おすすめ度
Mac Studio M4 Max 64GB$2,499Codex級 / Haiku級30-40 tok/s★★★★☆
Mac Studio M3 Ultra 96GB$5,299Sonnet級25-30 tok/s★★★★★
Mac Studio M3 Ultra 256GB$9,499Sonnet級 + α(V3 671B可)15-20 tok/s★★★★☆(販売停止)
Mac + TinyGPU + RTX 5090$5,047Sonnet級 / Codex級40-60 tok/s★★★★★
自作 RTX 5090 単体$5,500〜Sonnet級 / Codex級40-60 tok/s★★★★☆
tinybox red v2$15,000Sonnet級(並列)30-40 tok/s ×4★★★☆☆
tinybox green v2$45,000Sonnet級(並列大)60+ tok/s ×4★★☆☆☆(業務用)
tinybox pro(推定)$150,000+Opus級(近い)未公表★☆☆☆☆(要相談)
H100 × 4 サーバー$120,000+Opus級15-20 tok/s☆☆☆☆☆

どれを選ぶべきか?

用途別に推奨構成をまとめます。

「Claude/Codex 課金がしんどい、家でSonnet級を回したい」
Mac Studio M3 Ultra 96GB($5,299)。1年〜1年半で Claude Pro/Max のサブスク代を回収できます

「AIコーディングだけをローカルで完結させたい」
Mac Studio M4 Max($2,499) + Qwen2.5-Coder 32B。SWE-bench 69.6%まで到達。低予算の本命

「拡張性重視、将来 GPU 追加もしたい」
Mac + TinyGPU + RTX 5090($5,047)。2026年4月からの新選択肢。将来 RTX 5090 を追加してマルチGPU 化も可

「Windows でゲームも AI もやりたい」
自作 RTX 5090 単体($5,500〜)。省電力性と静音性は Mac に劣るが、汎用性最強

「社内で開発チーム全員に AI コーディング環境を配りたい」
tinybox red v2($15,000)。1台で10人チーム分の推論をカバー。Codex API課金の年間試算より確実に安い

「とにかく Opus 級を家で」
やめましょう。$100K超のコストと家庭では収まらない電力・熱・騒音。素直に Claude Opus をサブスク契約するのが合理的です


あなたへの影響

2026年7月時点で、**「Claude/Codex 並みのAIを、自宅で・オフラインで・データを外に出さずに動かす」**という選択肢は、Sonnet 級・Codex 級ならもう非現実的な夢ではなくなりました。

  • 月$200 の Claude Max を1年払うと約31万円。Mac Studio M4 Max(38万円)は1年強でペイします
  • 機密文書・社内情報・顧客データを扱う仕事なら、ローカルLLM は情報漏洩リスクを根本から下げます
  • オフライン環境(山奥・海外・災害時)でも AI 支援が使えるのも地味に大きい利点です

一方で、Opus 級・SWE-bench Pro 上位クラスの性能が必要なら、素直にクラウドAI を課金し続けるほうが安全で合理的です。ローカルとクラウドを用途で切り替えるのが2026年の正解。


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参考にしたソース

ヘッダー画像: Photo by Vladimir Srajber on Pexels

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explAInのライター。AIの今をやさしく、忖度なしで。